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最近「腸内フローラ」という言葉をよく耳にします。

腸内フローラとは腸内細菌のことです。

それが、今まで考えもしなかったことに影響を与えているそうです。

ガンや糖尿病、アレルギーといった病気の原因になったり、肥満、老化などの原因になっているそうです。

更にはドーパミン、セロトニンといったホルモンを分泌させ、精神や性格にまで影響を与えているというのです。

このことは「経絡が心身のあらゆるものに影響を与えている」のと同じように「腸が心身に大きな影響を与えている」ということを示しています。

腸内フローラが、経絡を科学的に証明するきっかけになると面白いですね。

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経絡とは?

合気道の基本の一つに「皮膚のゆるみをとって、気を誘導する」技術があります。

例えば、相手の手首を持ち、相手を動かしたい方向(皮膚が動く方向)に皮膚のみを動かします。

こうしてから技をかけると、技がかかりやすくなります。

皮膚のゆるみをとるとは、相手に触れているポイントは引っ張らずに、全身の皮膚を動かします。

全身の皮膚を動かすことで、全身の気を誘導するのです。

皮膚のゆるみをとる際、手の力はいれません。

手に力がはいると、引っ張ってしまい、気を誘導することが出来ません。

四肢の力は抜き、ヘソの下(丹田)を中心に手に力を伝えます。

こうして投げられると、とても気持ちが良いものです。

経絡指圧でも考え方は同じになります。

受け手の皮膚のゆるみをとり、術者の丹田の力を手に伝える指圧は、とても効果的です。

勿論、こうして圧されると、とても気持ちが良いですよ。

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両手操法

経絡指圧の運動法の一つに「関節を動きやすい方向へ誘導して、動きが止まる部位で筋をやさしく伸ばす」手技があります。

経絡の理論では、弱っている筋(虚している経絡)は関節を引き込みます。

そこで、関節を動きやすい方向へ誘導して、「ハマる」部位でしばらく止めます。

すると弱っている筋が強くなり、バランスが取れ、動きにくい方向への動きも改善されます。

この理論は、オステオパシーの「カウンターストレイン」の理論を説明できます。

カウンターストレインは、痛みが楽になる姿勢を90秒ほど保つことで、筋肉をゆるめます。

更には操体法の「体の痛みがない気持ちの良い方向に動かし、抵抗を加えることで体のバランスを整える」理論も説明することができます。

優れた治療法はアプローチ方が違うだけで、意外と共通点が多いものですね。

 

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なかなか改善しない患者様へのアプローチ法

東洋医学の観点からすると、姿勢の崩れは、経絡の歪みが引き起こしています。

弱っている経絡が背骨を引き込むことで、姿勢が悪くなります。

その経絡の歪みが大きいほど、姿勢は悪くなります。

こうなってしまうと少々意識したぐらいでは、姿勢は良くなりません。

経絡は12種類に分けることができますが、そのうち「どの経絡の歪みが大きいか」によって、姿勢の崩れ方が決まってきます。

どの経絡の歪みが大きいかによって「腰が曲がる人」「背中が丸くなる人」「顔が前に出てくる人」といような個人差がでてくるのです。

根本から姿勢を良くするためには、経絡を整える必要があります。

そのためには、自分の弱い経絡(体質、気質)を把握することが重要です。

そのうえで、経絡の歪みを整えて、身体の中心に軸のある美しい姿勢を身につけたいものですね。

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身体のバランスと見立て

ツボを圧すと、その周りや四肢に響きがおこることがあります。

それは、不調の原因である「滞った気」が排出されるサインです。

例えば、ぎっくり腰の方のお腹のツボを圧すと、腰の痛い部分に響くことがあります。

経絡の歪みが浅い方だと、これを丁寧に行なうだけで、腰の痛みが半減します。

腰の「滞った気」が排出されることで、症状が改善されるためです。

実際の治療はこれだけでは終わりませんが、不調の部位の「滞った気」を排出することができれば、症状は改善します。

ただ受け手の負担の大きい治療法ですので、やみくもに行なうのは危険です。

有効な治療法ほど、逆に悪化させる可能性を含んでいるものです。

そのことを理解し、きちんとした心構えで治療にあたらなければいけません。

 

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経絡の響き

経絡指圧が上達してくると、普通に圧しただけなのに、患者様から「圧していないところに響きを感じる」と言われることが増えてくると思います。

響きとは、経絡の歪みの原因である「滞った気」が排出されるときに起こる現象です。

例えば、肩のツボを圧したとき、ツボの周りに痛快な感覚がひろがったり、腕から指先にかけてビリビリしたりする現象をいいます。

このようにツボを響かせることで「滞った気」を排出すれば、経絡は整い、不調は改善されます。

「滞った気」を排出するには、ツボを響かせる技術が重要です。

この技術が正確に行えるようになると、今までなら太刀打ちできなかった症状にも、効果的な治療ができるようになります。

そのためには、経絡指圧の基本をマスターすることが必須です。

経絡を歪ませる原因は、生活での悪癖です。

悪癖とは食毒、ストレス、悪い姿勢、冷え、運動不足などの生活習慣をいいます。

悪癖を長い間続けていくことで、経絡の歪みは深くなっていきます。

これが不調の原因になっており、経絡の歪みが深いほど不調も深刻なものとなっていきます。

どうしたら深い歪みを整えていけるのでしょうか?

歪みの原因をみつけだし、それを正していくことです。

深い歪みをつくるほどの悪癖は、簡単に正していけるものではありません。

しかし、歪みの原因を的確にみつけ、正すことができれば、奇跡的な改善も夢ではありません。

人によって、生まれつき弱い経絡、強い経絡があります。

言い換えれば、「体質、気質が生まれつき、ある程度決まってくる」ということです。

自分の弱い経絡(体質、気質)を把握することが、経絡を整えるうえでは重要になります。

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経絡の歪み

理論的には、経絡が整えばどんな不調でも改善します。

しかし、経絡指圧で治療しても、全ての患者様が順調に改善するとは限りません。

その理由として、主なものが2つあります。

1つ目は、経絡を整えることより、悪癖で歪みをつくることが勝ってしまう場合です。

例えば、経絡指圧で肝経(肝臓をコントロールしている)を整えても、患者様がお酒を浴びる程のんでいては改善しません。

治療家は歪みの原因をみつけだし、指導を行う必要があります。

2つ目は、経絡の歪み(ツボ)が深すぎる場合です。

この場合、直接ツボに治療は出来ません。

直接治療出来ない場合は、別の場所にあるツボを治療していきます。

このツボの治療が終わると、別の場所にツボが出てきます。

これを玉ねぎの皮をむくように繰り返していくと、最初のツボが浅い場所まで出てきます。

ここでやっと不調の原因を治療できます。

深いツボを治療出来る治療家ほど、効率良く行えます。

 

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経絡指圧の運動法

経絡とは、簡単にいうと筋(スジ)のことです。

経絡は12種類に分けることができます。

頭のてっぺんから足の先まで、全身くまなく12種類のどれかが通っています。

1つ1つの経絡をみても、走行が若干変わるものの全身くまなく通っています。

そして、通り道にあるあらゆるものをコントロールしています。

例えば、胃を通る経絡は、胃をコントロールします。

12種類の経絡で内臓、ホルモン、血液、神経、筋肉、感覚器など体の全てをコントロールしています。

さらには、精神的なものまでコントロールしています。

経絡は「人間の全てをコントロールしている」といっても過言ではありません。

理論的には、経絡が整えば「どんな不調でも改善する」ということになります。

*経絡には奇経脈もありますが、ここではふれません。

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経絡って何?

経絡治療ではツボを1ヶ所圧しただけなのに、患者様の症状が劇的に改善することがあります。
原理を説明しますと

体のあらゆるところに道路(経絡)がとおっています。

道路(経絡)が順調に流れていないと渋滞を起こします。

この渋滞を起こしているところが「患者様の症状」ということになります。
渋滞を起こすには原因があるはずです。

そこで渋滞を起こしている原因である、最も大きな道路の陥没(経絡の歪み)を見つけます。

その道路の陥没を効果的に整えてあげれば、渋滞(症状)は一気に解消することがあるのです。
実際、指圧の技術より原因をみつけることの方が難しかったりするんですが・・・

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ツボの先端を捉えるコツ
ツボの先端