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証診断した後は、全身に気が広がる「独特な感覚」を頼りに治療していきます。

この「独特な感覚」を頼りにしていきますと、今まで(触覚を頼りに圧す)は素通りしていたポイントが重要に感じたり、その逆のことも多々あります。

 

この「独特な感覚」は人体を海に例えるなら、航海をするうえでの「海図」の役割を果たしてくれます。

正確な「海図」を得ることができれば、目的地(不調の改善)にスムースに向かうことができるのです。

 

証診断をマスターすれば、経絡指圧の効果は飛躍的に向上します。

治療をしていて、この「独特な感覚」を感じることができる患者さんが増えている気がします。

しっかりした勉強を行なえば、この技術をマスターできる治療者も増えていくと思います。

このブログを読んで、少しでも経絡指圧に興味を持ってくれる方がいれば幸いです。

 

証診断をするには、お腹にある各経絡の診断点(各経絡ごとのポイント)を圧した際の反応を診ていきます。

圧した際「全身に気が広がる経絡」が、治療すべき(気が不足している)経絡になります。

感覚が鋭い患者さんの言葉を借りれば「癒しが体中に広がってくる」ということになります。

 

 この「独特な感覚」を感じ取る為には「我を捨てて、原始感覚(第六感)を働かせる」必要があります。

証診断は「瞑想」や「禅」と通ずるものがあるように感じます。

また、スポーツでの「ゾーン」の状態で臨むと、この「独特な感覚」がわかるようになってくると思います。

 

証診断はマスターするのが難しい技術です。

伝えることもとても難しいのですが、タオ療法の遠藤先生が著書のなかで詳しく述べています。

とても素晴らしい内容ですので、興味がある方は是非参考になさって下さい。

東洋医学(経絡指圧)では、治療法を決定することを「証診断」といいます。

すなわち、証診断とは「どの経絡を指圧すれば、受け手の自然治癒力を喚起させることができるのか」を診立てることになります。

 

 証診断で選定される経絡は「最も気が不足している経絡」であり、「最も気を必要としている経絡」になります。

全ての経絡はつながっていますので「最も気が不足している経絡」の気が、指圧によって満たされると、全ての経絡が整います。

結果、自然癒力が喚起され、不調が改善していきます。

 

証診断は、経絡指圧の核となるものであり、その有無が民間療法との違いになります。

頭で理解しようとしているかぎり、マスターするのが非常に困難な技術です。

経絡指圧がその効果の割に広まっていないのは、この証診断の難しさにあると思います。

私も経絡指圧普及会にて教えて頂いたときは、頭で理解しようとしすぎて、コツをつかむのにかなりの時間を費やしました。

次回は、証診断のやり方を書いてみたいと思います。

{胆経}

(働き)

・栄養の配分を司り、消化腺の働きによって、全身エネルギーのバランスの調整を行なっている

(胆経が滞ると)

・決断力がなくなる(胆力がない)    白眼が黄染し、皮膚が黄色っぽくなる

・目ヤニたまり、かすみ、眼圧が高くなる ・手足の関節がこわばり、全身が固い

・脂肪の消化が悪い ・胸やけ、吐き気 ・イライラして熟睡できない

・大便が固い、または下痢 ・胃が重くて肩がはる ・胃酸過多

・たんの絡んだ咳  ・眼精疲労

(なぜ胆経が滞るのか)

・落胆した    ・感情興奮で気をつかい過ぎ

・目の使い過ぎ ・気をもんだり、胆をつぶす

・ゆっくり食事をせず、疲れが偏っている ・睡眠が十分でない

・砂糖、防腐剤、添加物等のとりすぎ

(所属器官){肝経、胆経共通}

・肝臓 ・胆管 ・消化腺(甲状腺、唾液腺、膵腺、胆汁、腸腺)

・目の黒目 ・筋膜 ・関節 ・腱 ・アキレス腱

(参考文献)増永静人 1974「指圧」医道の日本社  1975「スジとツボの健康法」潮文社

遠藤喨及2011「タオ指圧、東洋医学の革命」ヒューマンワールド

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{肝経}

(働き)

・栄養を貯蔵して、活力を養成します

・エネルギーを確保して、全身の精力や活力を維持します

(肝経が滞ると)

・気分が衰えたり、急にやる気を出したりする ・癇癪を起しやすく、雑音が気になる

・感情が高ぶりやすく大声を出したくなる ・目の輝きを失い、黄色く見えたり、立ちくらみがする

・原因不明の発熱 ・動作がぎこちなくなる ・精力減退   ・前立腺、睾丸の障害

・仙骨、尾骨の痛み ・胸脇が苦しい ・食欲不振 ・全身疲労

・右季肋部の圧迫感    ・吐き気、頭痛  ・関節に力がない ・痔痛

(なぜ肝経が滞るのか)

・無理して、疲れがたまっている    ・暴飲暴食

・アルコール、薬、食品添加物などの過剰摂取

(所属器官){肝経、胆経共通}

・肝臓 ・胆管 ・消化腺(甲状腺、唾液腺、膵腺、胆汁、腸腺)

・目の黒目 ・筋膜 ・関節 ・腱 ・アキレス腱

(参考文献)増永静人 1974「指圧」医道の日本社  1975「スジとツボの健康法」潮文社

遠藤喨及 2011「タオ指圧、東洋医学の革命」ヒューマンワールド

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{三焦経}

(働き)

・小腸を補佐して末梢循環(細動静脈、毛細血管)と体液移動を司る

・粘膜、漿膜、リンパの働きにより身体を保護する

 

(三焦経が滞ると)

・周囲に対する気遣いが下手 ・全身がこわばる ・粘膜、リンパが弱い

・いつも手を握りしめたように前腕が緊張  ・風邪をよくひいて、眼がチカチカする

・頭に何かかぶさったような感じで重苦しい ・胸が締め付けられるのを感じる

・外界の変化に過敏で、寒暑の変化や湿気がこたえる ・アレルギー体質

・腹壁や皮膚が過敏でくすぐったがり、痛みやかゆみを感じやすい

・皮下に水気がたまり、手や後頭部がしびれる ・湿疹、蕁麻疹ができやすい

 

(なぜ三焦経が滞るのか)

・警戒心が強い    ・幼児期に過保護に育てられた

・周囲に気をつかい過ぎる ・環境に適応できない

・寒暖の差など、外界の変化が激しい環境で生活している

 

(所属器官){心包経、三焦経共通}

・中枢循環(心臓、冠状動脈、大動静脈、リンパ管) ・脾臓

・末梢循環(細動静脈、毛細血管) ・皮下締結組織

 

(参考文献)増永静人 1974「指圧」医道の日本社  1975「スジとツボの健康法」潮文社

遠藤喨及 2011「タオ指圧、東洋医学の革命」ヒューマンワールド

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{心包経}

(働き)

・循環と環境適応

・中枢脈管系(心臓、大動静脈、リンパ管)をコントロール

・栄養を配分し、内臓機能を促進、保護する

 

(心包経が滞ると)

・気をつかってガックリとした疲れ   ・頭がボーっとする    ・不眠

・動悸、息切れ ・のぼせ、ほてり    ・血圧異常 ・狭心症

・気が休まらない ・手足の冷え ・胃潰瘍 ・バセドー病

 

(なぜ心包経が滞るのか)

・気の使いすぎ    ・トラウマ、恐怖

・長時間、同じ姿勢を続ける(パソコンなど)

 

(所属器官){心包経、三焦経共通}

・中枢循環(心臓、冠状動脈、大動静脈、リンパ管) ・脾臓

・末梢循環(細動静脈、毛細血管) ・皮下締結組織

 

(参考文献)増永静人 1974「指圧」医道の日本社 1975「スジとツボの健康法」潮文社

遠藤喨及 2011「タオ指圧、東洋医学の革命」ヒューマンワールド

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経絡の紹介の途中でしたが、高校野球シーズン真っ只中ということで、今回は「ピッチャーの身体の使い方」を書いてみたいと思います。

 

ピッチャーのとって重要な身体的要素は、「パワー」「身体のスムースな連動」があげられます。

これらと比べると忘れられがちですが、これらと同様に重要な要素に「関節のバネ」があります。

ピッチャーは、下半身の力を背骨を通して、上半身に連動させボールを投げます。

ピッチャーが使う「関節のバネ(上半身)」は(1)背骨(2)背骨と肋骨をつなぐ関節(3)肩甲骨(4)肩関節(5)肘(6)手首(7)手のひらの関節(8)指の関節です。

(1)から(8)までが順番に連動してボールを投げます。

そして、この番号が小さいほど、小さな動き(バネ)で大きな動き(パワー)を生み出すことになります。

よって、(1)(2)は投球するうえで「非常に重要な関節」ということになります。

その割に(1)(2)は忘れられている気がします。

 

整体でも(1)(2)はとても重要な関節です。

そして残念なことに、動きが悪くなっている方が多い関節です。

(1)(2)の動きを良くすると、上半身のあらゆる関節に良い影響を与えることが出来ます。

ピッチャーの方が、これらの関節の動きをよくすると、今までより1ランク上の投球ができるかもしれませんよ。

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{膀胱経}

(働き)

・自律神経(脳下垂体)の働き ・尿の排泄

・生殖機能、泌尿器周辺の臓器を支配している。

 

(膀胱経が滞ると)

・神経緊張が強く物事に過敏に反応 ・背筋が突っ張る ・自律神経が弱る

・腰痛 ・目頭が重く、頭痛 ・下腹、足の冷え ・不眠、寝つきが悪い

・頻尿または、尿が少ない ・膀胱炎、残尿感 ・むくみ

 

(なぜ膀胱経が滞るのか)

・神経を使いすぎて気が休まらない(多忙)    ・下半身の冷え

・人間関係のストレス ・時間や予定に追われる

 

(所属器官){腎経、膀胱経共通}

・腎臓 ・膀胱 ・歯 ・目の瞳 ・内分泌腺

・生殖器 ・自律神経 ・毛髪

 

(参考文献)増永静人著 1974「指圧」 医道の日本社  1975「スジとツボの健康法」潮文社

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{腎経}

(働き)

・体液成分と内分泌を調整することにより、全身に精気を与えている

・成長ホルモン、性ホルモンの分泌

・ストレスへの抵抗    ・血液と体内毒物の清浄

 

(腎経が滞ると)

・ものごとに脅えやすい ・何かを恐れ、驚くことが多い ・不安が強い

・何事もやりすぎるが、根気が続かない ・皮膚が黒ずんで弾力がなく、むくみやすい

・下腹部や腰が冷えて重い ・足がつる ・頭が重く熟睡ができない

・腹が固くなる ・手足がはれぼったい(特に朝) ・老化がすすむ

・皮膚に湿疹、化膿ができやすい ・鼻血が出やすい ・口臭

 

(なぜ腎経が滞るのか)

・がむしゃらに頑張り過ぎ(心身過労)    ・寝不足

・ホルモンバランスの乱れ(ストレスなど) ・継続的なストレス

 

(所属器官){腎経、膀胱経共通}

・腎臓 ・膀胱 ・骨 ・歯 ・目の瞳 ・内分泌腺

・生殖器 ・自律神経 ・毛髪

 

(参考文献)増永静人 1974「指圧」医道の日本社  1975「スジとツボの健康法」潮文社

遠藤喨及 2011「タオ指圧、東洋医学の革命」ヒューマンワールド

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