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経絡指圧は「他(の部位)にも影響を与えるコリ」をとっていくことで心身の全てを向上させることを目的としてします。

 

では、どのように「他にも影響を与えるコリ」をとっていけば良いのでしょうか?

「他にも影響を与えるコリ」を正確に圧すと独特な反応(響き)があります。

この反応がおこれば「他にも影響を与えるコリ」にアプローチをかけれている、ということになります。

基本的には、この反応がおこるコリを治療していけば良いのですが、コリが奥に入りすぎた場合は反応はおこりません。

奥に入り込んだコリは治療することは困難なのです。

 

このような場合、反応がおこるコリを丁寧に治療していきます。

すると、これらのコリがとれて、深いところにあるコリが徐々表面にでてきます。

この作業を繰り返すことで、更に深いところにあるコリが表面にでてくるのです。

よって経絡指圧は「玉ねぎの皮をめくっていく」ように治療している、ともいえます。

 

長年かけてつくった(奥に入った)コリは簡単にはとれません。

当然、「浅いところにあるコリ」より「深いところにあるコリ」をとるほうが時間もかかります。

しかし、「玉ねぎの皮をめくっていく」ように地道に治療を続け、症状の原因のコリまでたどり着くことが出来れば、症状を根本から改善することが出来ます。

経絡指圧で治療するコリは、大きく2種類に分けられます。

2種類のコリとは、「部位そのものが痛むコリ」と「他(の部位)にも影響を与えるコリ」です。

 

「部位そのものが痛むコリ」が表面が痛むのに対し、「他にも影響を与えるコリ」は奥が痛みます。

「他にも影響を与えるコリ」は、奥にあるため、どこが痛むのかはっきりわからない方が多い特徴があります。

「他にも影響を与えるコリ」は、「部位そのものが痛むコリ」より奥にあるのです。

そのことから「他にも影響を与えるコリ」がとれれば、「部位そのものが痛むコリ」は自然にとれていきます。

 

「他にも影響を与えるコリ」は身体の奥にはいっていくほど、他に与える影響も強くなっていきます。

例えば、腰が曲がった方は「このコリ」が深く身体の奥に入り込んでいる、ともいえるでしょう。

更に、「すぐに肩や腰が重くなるなあ。」という方や「最近身体が硬くなったなあ。」といった方も「このコリ」が奥に入った影響をうけています。

 

経絡指圧では、この「他にも影響を与えるコリ」をとることによって治療していきます。

より深い「他にも影響を与えるコリ」がとれるほど、身体の機能はグッと向上します。

外邪(心包、三焦経の滞りが原因)

五毒による五臓の疲れは、外部に対する抵抗力も弱くしますから、いろいろな病毒の侵入を許すことになります。

こうしたとき、たんに病毒のみを攻撃しても、その効果は知れたものです。

心包、三焦のリンパ、漿膜系統はこうした外邪にたいする、防御の働きをしています。

 

(1)~(6)の6因、6養のどれもが、健康の維持には大切で、一つが欠ければ当然、他にも影響をおよぼします。

このなかで根本的病因をつかんで、そこから補う手当をしていくことが、医療の正しいあり方です。

 

「上工(名医)は未病を治す」という名句が漢方の古典にあります。

「予防医学とは、やたらに薬を飲んだり、予防接種をして、あてのない防備に奔走することでなく、ちゃんと個人の疲労を取り除いておくことだ」と先人は教えているのです。

 

{参考文献} 増永静人著 「家庭でできる指圧」

労倦(脾、胃経の滞りが原因)

「働かざるものは食うべからず。」

これは道徳的な戒律のことではありません。

近代生活は必要エネルギー以上の過食を、偏心または偏食のゆえに、知らぬうちにしているのです。

 

ただ命長らえて自分の欲望を満足させるためだけに、食事療法をしている人は、正食を誤ります。

そのうえ食物を吸収、消費するための正働にも欠けてきます。

 

全身的に心身調和したした働きをすることが、健康の基礎であり、正しい生活です。

過労も倦怠も、ともに誤った欲望によるものであり、脾胃の消化機能低下をもたらすものです。

 

{参考文献} 増永静人著 「家庭でできる指圧」

食毒(肝、胆経の滞りが原因)

「食は生命なり」と言われるほど、食は生命にとって重要なものです。

 

食毒が肝臓を冒します。

見かけの色や味付けに惑わされ、嗜好品やアルコールを過剰に好むことは慎まなければなりません。

保存料、添加物、アルコール、白砂糖、薬など多くのものが食毒になります。

 

本人が知らずに「食毒」を過剰に摂取している場合もありますので、注意が必要です。

 

 
{参考文献} 増永静人著 「家庭でできる指圧」

瘀血(心、小腸経の滞りが原因)
「ふる血」というのは西洋医学にない考え方ですが、アシドーシス(酸毒症)でつくるコリを、東洋医学では「瘀血」とよんでいます。

 

心のかたよりを「凝り性」といいますが、そうした血液分布のバランスが崩れるところに瘀血の原因があります。

特に「断腸の思い」で腸管造血を障害することは、「心」「小腸」の関係をとらえたものと思います。

血液が停滞することで起こる病気は、女性の立場に多いストレスからくるものと思えます。

 

「正心」という、こだわりのない心、それが血液を停滞させず、小腸の吸収を血、肉とする大切なことではないでしょうか。

{参考文献} 増永静人著 「家庭でできる指圧」

水毒(腎、膀胱経の滞りがが原因)

生命活動は元来、水中に発生したもので、私たちの細胞や組織も水分に浸されて、物質代謝を行っています。

生体の約70パーセントは水分であり、その水分の組成を健全に保つことは生命活動に大切です。

 

なかでも体液の酸、アルカリ平衡は「酸素や栄養物の補給」「体液循環」「化学反応の正常の場をつくる」重要な要素です。

アシドーシス(酸毒症)のことを漢方では水毒症とよんでいます。

 

体液の代謝障害には、腎(副腎)と膀胱が大きく関与しています。

衝動的な恐れや驚きは副腎に影響を与えます。

古くから「安心立命」は東洋修養の根本になっているのです。

 

爽快な朝の目覚めは、正眠に由来し、活動のエネルギーは休息により確保されます。

 

{参考文献} 増永静人著 「家庭でできる指圧」

故増永静人先生は、病因と養生法を経絡的に分類し、以下のように記しています。

(1)気滞(肺、大腸) (2)水毒(腎、膀胱) (3)瘀血(心、小腸)
(4)食毒(肝、胆) (5)労倦(脾、胃) (6)外邪(心包、三焦)

気滞(肺、大腸経の滞りが原因)
漢方でいう気は「宇宙の気が体内に入って経絡を流れる」という解釈になっています。
この解釈からみれば「病気は人間生活の停滞」を意味しているわけです。

活気、生気とは呼吸のことでもあって、肺は生命活動の根本である組織呼吸の決済器官になっています。
呼吸停止が、生命にもっとも早く危険をもたらすことは、酸素供給がいかに重要であるかを物語っています。

呼吸法を取り入れた健康法はたくさんありますが、肺に出入りする空気だけでは、いきいきした状態は保てません。
なぜなら大腸の停滞が、悪臭のあるガスをだします。
この決済を呼吸に関係させることを忘れているからです。

精神的に鬱気があるとため息がでますが、腹ふくるるわざも放屁の原因です。
「はればれとした深呼吸」と「こころよい排便」を、毎朝おこなえるような生活が、健康への第一歩でしょう。
つまり気滞にたいしては、正息が養正法になるわけです。

{参考文献} 増永静人著 「家庭でできる指圧」

私事で恐縮ですが、先日はじめて「ぎっくり腰」を体験しました。

 

その日は、一月末の寒い日でした。

いつもと変わらず、午前中の診療を終え自宅に戻ろうとしたとき、買い物帰りの妻と二歳の娘が整体院に迎えに来ました。

いつもと同じように娘を抱き上げたとき、左の骨盤(仙腸関節の周辺)のスジが「グリグリ」と音をたてたように動くように感じました。

その瞬間、激しい痛みでしゃがみこんでしまいましいた。

全く動けないわけではありませんが、かなり痛みが強く、午後からの診療ができるか不安でした。

そして運が悪いことに、その日は昼休みに往診の予約までとっていたのです。

 

そこで妻と娘を先に帰し、自分の治療にとりかかることにしました。

証(どのスジが原因か)をとってみると小腸経でした。

あまり時間がなかったので患部周辺、お腹、大腿の小腸経を手早く圧し、骨盤(仙腸関節)の動き良くすると、いくらか動けるようになりました。

しかし、座っていて立ち上がろうとする際、腰が伸びるまで一分程度かかる有様で、とても治療が効いたとはいいがたい状態です。

しかも立ちあがる際「ウッ」を声が出るほど痛いのです。

それでもそれ以外の動きは「だましだまし」出来たのと、患者さんの前に立つと気が引き締まるからなのか、往診と午後の診療はきちんと行うことができました。

 

自宅に戻り、自分の研究も兼ねて本格的に治療にとりかかりることにしました。

自分の状態を客観的にみると、経絡の歪みはたいして深くないように感じました。

そこで、しっかりと経絡治療を行えば、劇的に改善するはずであると思い、証をとるところから再び始めました。

証はやはり小腸虚(全身を通っている小腸のスジに痛みの原因がある)でした。

繰り返し、患部周辺、お腹、大腿の小腸経を丁寧に圧したのち、整体院ではできなかった背中の小腸経を圧し始めました。

 

横向きの状態で、手が届く範囲で小腸経を圧していくと、ある一点で他とは明らかに違う「ズン」と響く感覚がありました。

その瞬間、「ココだ!」と確信めいたものを感じました。

その周辺を丁寧に圧していくと、患部に響きが起こり始め、痛みが「スー」と引いていくように感じられました。

ますます確信を得て、五分程度丁寧に圧したのち立ちあがってみると、患部周辺に若干の痛みは残っているものの、痛みは劇的に改善されています。

勿論、座った状態からスッと立ちあがることができるようになりました。

経絡指圧をきちんと行なえば症状は改善することが実感でき、うれしい気持ちと同時に「もう少し自分の身体で研究したかった」と少し残念な気持ちもありました。

 

その後2~3日で腰の違和感もなくなり、治癒しました。

その後は痛むことは全くないどころか、調子が良いくらいです。

今回、「柔道整復師(整体師)がぎっくり腰になるのはどうかな?」と思う反面、痛みの発生から治癒まで文字通り体験でき、生きた勉強ができたと思います。

そして経絡指圧の効果も実感でき、今後も益々精進する必要を感じました。

でも、あの痛みはつらいものですね。

今回は、「スポーツにおける軸」について「経絡」の観点から考えてみます。

 

先日、フィギュアスケートの羽生選手が世界最高得点を連発して優勝していました。

羽生選手は「軸がしっかり通った選手」ということは誰の目から見ても明らかです。

そんな羽生選手でも(4回転)ジャンプで転倒することがあります。

 

フィギュアスケートのジャンプは、とても繊細なものだそうです。

背が少し伸びただけでも、感覚が狂い上手くいかなくなることもあるそうです。

もちろん、「軸」が少しでもブレた場合もキレイにまわることは出来ません。

 

この「軸」に経絡は多大な影響を与えます。

それを説明したいと思います。

経絡は全身にくまなく通っています。

経絡の性質の一つに「流れの弱い経絡は、関節や筋肉を引き込む」というのがあります。

例えば、足首の内側の「経絡の流れが弱くなる」と足首の捻挫をしやすくなります。

また「肺の経絡の流れが弱くなる」と猫背になります。

もちろん、経絡が関節や筋肉を引き込めば、「身体の軸」はブレることになります。

 

逆に、経絡が整えば「身体の軸」は整ってきます。

さらに高いレベルで経絡が整えば、身体の軸に気(エネルギー)を取り込めるようになるそうです。

こうなれば、自然と軸が通るようになります。(軸が高いレベルで通ったから、エネルギーを取り込めるとも言える。)

 

昔の武道の達人は、それが出来ていたようです。

こうなれば、「地球の力」を最大限に使えますのでどんなスポーツ、武道をしても上達するはずです。